“ねずみじ”の漢字の書き方と例文
語句割合
鼠地100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さも旅疲たびづかれさま見えて、鼠地ねずみじの縮緬に、麻の葉鹿の子の下着の端、なまめかしきまでひざななめに、三枚襲さんまいがさね着痩きやせのした、撫肩なでがたの右を落して、前なる桐火桶きりひおけの縁に、ひきつけた火箸ひばしに手をかけ
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鼠地ねずみじに白い立縞たてじまのある背広に開襟かいきんシャツを着た、色の黒い、頭髪を綺麗きれいに分けてで着けた、何となく田舎紳士と云う感じのする、せた小柄な人物で、膝の間に洋傘ようがさを挟んでその上に両手を重ね
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
黙って座ってる女がる、鼠地ねずみじ縞物しまもののお召縮緬めしちりめんの着物の色合摸様まで歴々ありありと見えるのだ、がしかし今時分、こんなところへ女の来る道理がないから、不思議に思ってよく見ようとするが、奇妙に
女の膝 (新字新仮名) / 小山内薫(著)