“てぬか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手抜64.7%
手脱23.5%
手技5.9%
手落5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その疑いをまた少しも後へ繰り越させないように、手抜てぬかりなく仕向けて来る相手の態度を眼の前に見た時、お延はむしろ気味が悪くなった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だが、なにも他人ひとの秘密をあばくでもなし、何人だれにもありがちのことだと大目に見ておいたがね、今になってみると、それがこっちの手脱てぬかりだったよ。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
象だの、荷車だのといふものは、よくお役人の手技てぬかりの穴へ脚を突込むもので、その頃常磐橋にも橋板のひどく損じた所があつた。象はあやふくそこへ片足を踏込んで、横つ倒しに倒れた。
しかしそれにはもう時機がおくれてしまったという気も起りました。なぜ先刻さっきKの言葉をさえぎって、こっちから逆襲しなかったのか、そこが非常な手落てぬかりのように見えて来ました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)