“ちげびと”の漢字の書き方と例文
語句割合
地下人100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
個性はまちまちでも、ときを得ぬ野性の地下人ちげびとたることと、不平の吐け口の見つからない悪童どもであることだけは、一しょくであった。
しかし学内でも、卒業後も、貴族の公達きんだちと、地下人ちげびとの息子とは、学科から待遇にまで、差別があった。当然、ふたつのものは、水と油だった。
もちろん殿上人てんじょうびととの同席はできず、地方に所領はあっても、たいがい山地や未開地である。平氏も源氏も、おしなべて皆“地下人ちげびと”と呼ばれていた。
まだ、地下人ちげびといやしめられていた武者所むしゃどころ若人わこうどたちで——安芸守平ノ清盛など、その一人でした。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ざっと、前半を概観して見ますと、何世紀もつづいた藤原氏の貴族政治も、保元、平治の二乱に支配力を失って、代りに、地下人ちげびと武士の擡頭が、世の著しい変化でした。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「新・平家物語」は、古典平家物語にはっていない。が、だいたい、伊勢平氏忠盛と、子の清盛の逆境時代に、起筆しました。いやしめられていた地下人ちげびと階級の擡頭たいとうが、始まりです。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)