“だつたんじん”の漢字の書き方と例文
語句割合
韃靼人100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから韃靼人だつたんじんが一人ゐる。狡猾で、随分裏切りも為兼しかねない男だが、その狡猾なところを利用すれば、有用な人物にもなりさうである。
はなしくと、なんでも韃靼人だつたんじんむらに、其夫人そのふじんと、土地とち某公爵ぼうこうしやくとのあひだ小説せうせつがあつたとのことだ、とかと。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
憫むべき鱷は斯の如き長大なる物を呑みたる為め頻に落涙しをれり。我国の古諺こげんに曰く。まねかざる客は韃靼人だつたんじんよりもまると。鱷は縦令たとへ落涙すとも、胃中の寄住者を如何いかんともする事能はざるなり。
突然韃靼人だつたんじんが何やら聞き付けました。一体韃靼人といふ奴は、耳のさとい人間です。そこでわたくしも気を付けて聞いて見ました。どうも耳に漕いで来るの音が聞えるやうです。
移住して来たロシア人の子孫や、流されて来た韃靼人だつたんじんの住ひである。けふは霧が冷たく、重く地の上に下りてゐて、少しの眺望も利かないので、不断見える明りが一つも見えない。