“こむらさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
濃紫71.0%
小紫29.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こっちの部屋から流れこんで行く燈光ひかりで、その部屋はぼっと明るかったが、その底に濃紫こむらさき斑點しみかのように、お八重は突っ伏して泣いていた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
香以の通った妓楼は初め吉原江戸町一丁目玉屋山三郎方で、後角町すみまち稲本楼である。玉屋には濃紫こむらさき、稲本には二世小稲がいた。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「色と意気地を立てぬいて、気立きだてすいで」とはこの事である。かくして高尾たかお小紫こむらさきも出た。「いき」のうちには溌剌はつらつとして武士道の理想が生きている。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
そんなその、紅立羽あかたてはだの、小紫こむらさきだの、高原かうげん佳人かじん、おやすくないのにはおよばない、西洋化粧せいやうけしやう化紫ばけむらさき、ござんなれ、白粉おしろいはなありがたい……はや下界げかいげたいから、真先まつさき自動車じどうしやへ。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)