“こぶすま”の漢字の書き方と例文
語句割合
小襖100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そう七郎左衛門は答えて、一丈も二丈もあるような巻き物を奥座敷の小襖こぶすまから取り出して来た。その長巻の軸を半蔵や寿平次の前にひろげて見せた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
蚊㡡かや越しではあるが、九尺の大床のわきには、武者隠しの小襖こぶすまがある。その金砂子きんすなごは、内にかくしてある刺客せっかくの呼吸と殺気とに気味悪く燦々きらきらしているではないか。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と恭順は言いながら、黒く塗った艶消つやけしの色も好ましい大きな文箱ふばこを奥座敷の小襖こぶすまから取り出して来た。その中にある半紙四つ折りの二冊の手帳を半蔵の前に置いて見せた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)