“こうでい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
拘泥97.2%
黄泥2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕達は少し矢絣に拘泥こうでいし過ぎてるんじゃないかしら。犯罪者が態々わざわざ、そんな人目に立ち易い風俗をするいわれがないじゃありませんか
悪霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
喜怒哀楽が材料となるにもかかわらず拘泥こうでいするに足らぬ以上は小説の筋、芝居の筋のようなものも、また拘泥するに足らん訳だ。
写生文 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
黄泥こうでいの岸には、薄氷が残っている。枯蘆かれあしの根にはすすけたあぶくがかたまって、家鴨あひるの死んだのがその中にぶっくり浮んでいた。
日光小品 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
橋の下の黄泥こうでいの洲は、二坪ばかりの広さをあまして、すぐに水と続いている。
尾生の信 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
風の音、蘆の音、水の音、——それからどこかでけたたましく、蒼鷺あおさぎの啼く声がした。と思って立止ると、いつか潮がさし出したと見えて、黄泥こうでいを洗う水の色が、さっきよりは間近に光っている。
尾生の信 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)