“くもつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クモツ
語句割合
供物94.5%
雲突1.8%
1.8%
貢物1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしてむっと甘い供物くもつのにおいのなかに、もう一つ別のにおいがかすかにまじっているらしかった——この病んだ都会のにおいが。
「おれは電信柱でんしんばしらだ。」と、雲突くもつくばかりの大男おおおとこは、こしをかがめて小声こごえでいった。
電信柱と妙な男 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるおとこは、いつものようにしずかな寝静ねしずまったまち往来おうらいあるいていると、雲突くもつくばかりの大男おおおとこが、あちらからのそりのそりとあるいてきた。見上みあげると二、三じょうもあるかとおもうような大男おおおとこである。
電信柱と妙な男 (新字新仮名) / 小川未明(著)
宵月よいづきころだつたのにくもつてたので、ほしえないで、陰々いんいんとして一面いちめんにものゝいろはいのやうにうるんであつた、かはづがしきりになく。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
廊下からかがんで乗り出し、下からひざまずいて出しました娘の貢物くもつを受け取つて、高く頂き、よたりと背後うしろむきになりますると、腰を振ってひょこひょこと、棟からあやつりの糸で釣るされたような足取りで
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)