“くもきり”の漢字の書き方と例文
語句割合
雲霧100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人間の知らない山の奥に雲霧くもきりを破った桃の木は今日こんにちもなお昔のように、累々るいるいと無数のをつけている。勿論桃太郎をはらんでいた実だけはとうに谷川を流れ去ってしまった。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
五月雨さみだれで田圃が白くなり、雲霧くもきりで遠望が煙にぼかさるゝ頃は、田圃の北から南へ出るみさきと、南から北へと差出る𡽶はなとが、ながら入江をかこむ崎の如く末は海かと疑われる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
もう別にうまい物を喰度たべたいという気もなし、只観音様へ向ってお詫事をして居るせえか、胸のうち雲霧くもきりが晴れて善におもむいたものだから、皆さんがお比丘様/\と云って呉れ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)