“かんぎてん”の漢字の書き方と例文
語句割合
歓喜天100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところがひとりのおばあさん、元気なものだ。歓喜天かんぎてんさまのお宮の絵馬えまを引ッぺがして、ドンドン焚火たきびをしてあたっている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この満身にお白粉を塗った歓喜天かんぎてんの肉体が薄桃色に染めかえられ、東北なまりのセリフを云うごとに手を挙げ臀を振る様子は、まことに哀れと云うよりもにぎやかに勇ましく
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
これ本邦慾張り連が子孫七代いかに落ちぶれても頓着とんじゃくせず、わが一代儲けさせたまえと祈って油餅を配り廻り、これを食った奴の身代皆自分方へ飛んでくるように願う歓喜天かんぎてんまた聖天しょうてんこれなり。
あんじょう、ドーッと、陣太鼓じんだいこをぶつけるような吹雪がきた。燃えのこった焚火たきびが雪にまじって、虚空こくうに舞い、歓喜天かんぎてんの堂のとびらもさらってゆかれそう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)