“かうしやざん”の漢字の書き方と例文
語句割合
高社山100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今は夕靄ゆふもやの群が千曲川ちくまがはの対岸をめて、高社山かうしやざん一帯の山脈も暗く沈んだ。西の空は急に深い焦茶こげちや色に変つたかと思ふと、やがて落ちて行く秋の日が最後の反射をに投げた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
尾谷川の閃々きら/\と夕日にかゞやく激湍げきたんや、三ツ峯の牛のたやうに低く長くつらなつて居る翠微すゐびや、なほ少し遠く上州境の山が深紫の色になつてつらなわたつて居る有様や、ことに、高社山かうしやざんすぐれた姿が
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「あれでがすか、あれははア、飯山いひやまの向ふの高社山かうしやざんと申しやすだア」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
星が降るやうにきらめいて居るが、十六日の月はやゝ遅く、今しも高社山かうしやざんの真黒な姿の間から、其の最初の光を放たうとして、その先鋒せんぽうとも称すべき一帯の余光を既に夜露の深い野に山にみなぎらして居た。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)