“いとびんやっこ”の漢字の書き方と例文
語句割合
糸鬢奴100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
太郎はこう言って、糸鬢奴いとびんやっこの頭を仰向けながら自分もまた笑い出した。
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
色々ふけえ思召があるんだから、わっしも大旦那のおわけえ時分、まだ糸鬢奴いとびんやっこの時分から、甲州屋のお店へ出入りをしてえて、おめえさんとも古い馴染だが、今度来やアがった番頭ね、彼奴あいつが悪い奴なんだ
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
衣類を黒紋附もんつきに限っていた糸鬢奴いとびんやっこの貞固は、もとより読書の人ではなかった。しかし書巻を尊崇そんそうして、提挈ていけつをそのうちに求めていたことを思えば、留守居中稀有けうの人物であったのを知ることが出来る。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)