泣き笑ひなきわらい
ドンドンドン……といふ太鼓の音がどこからともなく晴れた冬の空に響いて居りました。私達は学校の退けるのを待兼ねて、駈けて帰りました。初午のお祭といふことが、此の上もなく私達を悦ばせてゐたのであります。自分達が主役となつて、大人の干渉を少しも受 …