みち
今もそのアパートはあるだろうか、濡雑巾のようにごちゃごちゃした場末の一角に、それはまるで古綿を千切って捨てたも同然の薄汚れた姿を無気力に曝していた。そのあたりは埋立地のせいか年中じめじめした湿気が去らなかった。日の射さぬ中庭は乾いたためしは …
題名が同じ作品
(新字旧仮名)石川啄木 (著)
道:――ある妻の手紙―― (旧字旧仮名)水野仙子 (著)