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『芋』
ふりがな文庫
『
芋
(
いも
)
』
福治爺は、山芋を掘ることより外に、何も能が無かった。彼は毎日、汚れた浅黄の手拭で頬冠りをして、使い古した、柄に草木の緑色が乾着いている、刃先の白い坏を担いで、鉈豆煙管で刻煙草を燻しながら、芋蔓の絡んでいそうな、籔から籔と覗き歩いた。 叢の中 …
著者
佐左木俊郎
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約6分(500文字/分)
朗読目安時間
約10分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
嬶
(
がが
)
教
(
お
)
刻
(
きざみ
)
本当
(
ふんと
)
俺
(
おら
)
仰天
(
びっくり
)
狼狽
(
あわ
)
爺様
(
じんつぁま
)
坏
(
つくし
)
無
(
ね
)
首垂
(
うなだ
)
貶
(
けな
)
蕨
(
わらび
)
繁叩
(
しばたた
)
瘧
(
おこり
)
焼傷
(
やけど
)
焙
(
あぶ
)
水洟
(
みずばな
)
欣
(
よろこ
)
梟
(
ふくろう
)
悄気
(
しょげ
)
喫驚
(
びっくり
)