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鐘巻一火
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かねまきいっか
だが、その典医たちがくるよりも、
鐘巻一火が
門下の
壮士一
隊をしたがえてそこへ飛んできたほうが
一足ばかり早かったのである。
石見守は、一
顆のあかい
鞠をだして万千代の手にわたした。すると
検証の
鐘巻一火も、おなじように一つの白い鞠を
星川余一の手にあずける。
けれど、すでに、
時刻はせまる、
検証の
鐘巻一火は
床几につく、
見物は鳴りをしずめて
立合いを待ちかまえている。……
悔いておよばぬ
場合である。