鷲尾わしのお)” の例文
と、訊くと、自分の小屋のある辺が、鷲尾わしのおという地名なので、鷲尾とよばれていると、ようやく心も落着いたか、すらすらと答え出した。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
亀井かめい片岡かたおか鷲尾わしのお、四天王の松は、畑中はたなかあぜ四処よところに、雲をよろい、繇糸ゆるぎいとの風を浴びつつ、あるものは粛々しゅくしゅくとして衣河ころもがわに枝をそびやかし、あるものは恋々れんれんとして、高館たかだちこずえを伏せたのが
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、うろたえている三条、鷲尾わしのお、坊城などの諸公卿へ、くれぐれ、皇后のおからだをお頼みであった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)