鬼籍きせき)” の例文
つまり自分の死亡届けを出して置いて、自分は鬼籍きせきに入る。そうなれば、この世でのいろいろの厭なきずなを断つことが出来る。
火葬国風景 (新字新仮名) / 海野十三(著)
三吉が捕方に向う六時も前、午過ぎの九つ半に、富五郎は卒中ですでに鬼籍きせきに入っていたのだとのこと。
夫妻相続いて急性の肺患に犯され、一と月経たぬ間に夫婦とも鬼籍きせきに入った極めて不幸な作者であった。
養母の鶴勝はその悦びを共にすることを得ず、もはや鬼籍きせきにはいっていた。二人の心は一日も早くと焦燥あせりはしたが、席亭よせ組合の懇願もだしがたく、綾之助の引退は一ヶ年の後に延引のばされた。
竹本綾之助 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
暗殺行為の片鱗へんりんが知られても、僕はこの上海から一歩も外に出ないうちに、銃丸じゅうがんらって鬼籍きせきに入らねばならない。
人造人間殺害事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)