高麗人こうらいびと)” の例文
丁度そのころチベット語の大家山口恵海先生の所説で、古来から高麗人こうらいびとびならわしていた帰化人たちがチベット人ではないかという発表があった。
勉強記 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
伊万里いまり」を離れて日本の磁器を発達させ得たであろうか。あの高麗人こうらいびとの心情なくして、あの「高麗焼」の線を産むことはできぬ。工藝の美は多元的美である。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
仁徳にんとく帝の御代のころ、高麗人こうらいびと数千をひきいてこの地に土着された彼国かのくにの王族のお末裔すえであり、八幡殿の奥州のえきに武功をあげて、かくれなき名誉のお家柄となったもの……。いや、嘆くことはない。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)