“香箱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうばこ57.1%
かうばこ28.6%
おうち7.1%
こばこ7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紺と白茶と格子になった炬燵蒲団の上には、端唄はうた本が二三冊ひろげられて頸に鈴をさげた小さな白猫がその側に香箱こうばこをつくっている。
老年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
下谷町したやまち二丁目の小間物店、古河屋政兵衛こがやせいべゑの立ち退いた跡には、台所の隅の蚫貝あはびがひの前に大きい牡の三毛猫が一匹静かに香箱かうばこをつくつてゐた。
お富の貞操 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ね、みんなすこしの間、この香箱おうちね、繭さんにかしてあげてねと言ひきかせたりしたものだつた。
桑摘み (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
なにしろ年をとって来てね、歯はばくばくになる、ねずみのやつをおいまわすよりか、ろばたで香箱こばこつくって、ごろにゃん、ごろにゃん、のどをならしていたくなるさ。