音無川おとなしがは)” の例文
東京の水を論ずるに当つてまづこれを区別して見るに、第一は品川の海湾、第二は隅田川中川なかがは六郷川ろくがうがはの如き天然の河流、第三は小石川の江戸川、神田の神田川、王子の音無川おとなしがはの如き細流さいりう
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
葉が落ち散つたあとの木の間がほがらかにあかるくなつてゐる。それに此処ここらは百舌鳥もずがくる。ひよどりがくる。たまに鶺鴒せきれいがくることもある。田端たばた音無川おとなしがはのあたりには冬になると何時いつ鶺鴒せきれいが来てゐる。
一番気乗のする時 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)