“鞭打”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むちう86.5%
べんだ8.1%
しば2.7%
むちうち2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と急がわしくすずりを引き寄せ、手早くしたためたる電信三通、おんなを呼び立ててすぐにと鞭打むちうたぬばかりに追いやり、煙管きせるも取らず茶も飲まず
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
まったくどころを失った大傷手おおいたでではあったものの、同時に妙恵のこの一書が、いかに彼の滅失を鞭打べんだし励ましたことか、これも、はかり知れないものがある。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
牛のすぐ後ろへ続いて、妻が大きな手籠てかごをさげて牛のしりを葉のついたままのなまの木枝で鞭打しばきながらく、手籠の内から雛鶏ひよっこの頭か、さなくば家鴨あひるの頭がのぞいている。
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
思えばそれはけわしい道でもある。私の主体とは私自身だと知るのは、私を極度に厳粛にする。他人に対しては与え得ないきびしい鞭打むちうちを与えざるを得ないものは畢竟ひっきょう自身に対してだ。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)