鞠場まりば)” の例文
道庵先生のハイキングコースは、上平館かみひらやかたを出でて、通例だれもがする小高野から鞠場まりばへかけての胆吹の表参道であります。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「それはご苦労でした。したが唯今ただいま、殿下には、おん鞠場まりばへ出て、公卿輩くげばらを相手に、蹴まりに興じておられますゆえ、しばらく、その辺でお待ちくださらぬか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三の、小座敷、小亭、又は數奇屋鞠場まりばまであり、中庭なかには推して知るべし。
花火と大川端 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
ふるさとに芽ぐむ柳も浄御原きよみはらきよき昔の鞠場まりばなるらん
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
日ぐらしの声にくつはく鞠場まりばかな 一琴
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
それから登りますと三所権現があり、それをまた十町登りますると鞠場まりばというのへ出ると承りました。その鞠場より上へは女人は登ることを止められてあるそうでございます。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)