雷火らいか)” の例文
轟然ごうぜんたる音響おんきょうとともに、仏像のなかにしかけてあった火薬が爆発した。——浜松城の二の丸の白壁は、雷火らいかかれてくずれ落ちた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仮にこの明りでおいでやれおかえりやれと言うことに、今はなっていても、本来の火の光に対する我々の考えは別であって、やがて、日を拝みまた雷火らいか崇信すうしんした古い神道と
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
伊那丸いなまる咲耶子さくやこも、みすみすかたわらにありながら、いまの雷火らいかにふかれて、ふたりとも気を失ってしまっている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雷火らいか炸裂さくれつは、詭計きけいでもなんでもない。怪人かいじん呂宋兵衛るそんべえが、ふところにめておいた一かい強薬ごうやくを、祭壇さいだんに燃えのこっていたろうそくへ投げつけたのだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)