雲散霧消うんさんむせう)” の例文
昨夜の妖怪変化えうくわいへんげ雲散霧消うんさんむせうしてしまつたのだ。大判のタオルにくるまり、急いで二階へけ上る元気が出た。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
執事は喰へさうも無い四十男ですが、逞ましいのは人相だけで、幾度も逢つて見ると、これが案外弱氣で、人の良い男だとわかり、平次の最初の疑ひも雲散霧消うんさんむせうしてしまひました。
銭形平次捕物控:274 贋金 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)