雫石しづくいし)” の例文
雫石しづくいし、橋場間、まるで滅茶苦茶だ。レールが四間も突き出されてゐる。枕木まくらぎも何もでこぼこだ。十日や十五日でぁ、一寸ちょっとむつぃな。」
化物丁場 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
此處へ伯母が出て來て、幾片かの鳥目を惠んでやつたが、後で自分にかう話した。——アレはお夏といふ女である。雫石しづくいしの旅宿なる兼平屋(伯母の家の親類)で、十一二の時から下婢をして居たもの。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
雫石しづくいし川の石垣いしがきはげしい草のいきれの中にぐらりぐらりとゆらいでゐる。その中でうとうとする。
秋田街道 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
此処へ伯母が出て来て、幾片かの鳥目を恵んでやつたが、後で自分にかう話した。——アレはお夏といふ女である。雫石しづくいしの旅宿なる兼平屋かねひらや(伯母の家の親類)で、十一二の時から下婢をして居たもの。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
長い長い雫石しづくいしの宿に来た。犬が沢山え出した。けれどもみんなお互に争ってゐるのらしい。
秋田街道 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
又来春といふ約束で人夫もどんどん雫石しづくいしから盛岡もりをかをかかって帰って行ったあとでしたし
化物丁場 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
くりの木やかばの木もすっかり黄いろになり、四方の山にはまっ白に雪が光り、雫石しづくいし川がまるで青ガラスのやうに流れてゐる、そのまっ白な広い河原を小さなトロがせはしくったり来たりし
化物丁場 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)