隙間ひま)” の例文
お前さんはお仕合せだと云ってお噂ばかりして居ます、お前さんが留守でも隙間ひまなく働いて、長屋の評判もし、ちょいとうちへ来ても水を汲みましょうか
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
で、この隙間ひまに太夫に会ってと、小平太は腰まで上げたが、吉田忠左衛門が来て、何やら太夫と打合せをしていると聞いて、またその腰をおろしてしまった。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
名も知らぬ黄なる花むらなだり咲き目もあはれなり時化波しけなみ隙間ひま
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
聞いたよりはいっそうみじめで、母親は持病の痛風で足腰が立たず、破れた壁に添うて寝かされたまま、娘が茶店の隙間ひまをみては、駈け戻って薬餌やくじをすすめたり
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)