開府けえふ)” の例文
「親分、こいつは変っているでしょう。とって十九の滅法めっぽう綺麗な新造しんぞが仏様と心中したんだから、江戸開府けえふ以来の騒ぎだ」
「殺しですよ、親分、江島屋鹿右衛門の塀の上で、薊の三之助が忍び返しに引っ掛ったまま、百舌もずにえのようになって死んでいるんだ、こいつは江戸開府けえふ以来の変った殺しじゃありませんか」
「散々見られましたよ、何しろ明日の神田祭だ、宵宮の今晩から、華々しくやる積りの踊り舞台にポツリ/\と降って来た夕立の走りを避けて居ると、あの江戸開府けえふ以来という大雷鳴でしょう」
「散々見られましたよ。何しろ明日は神田祭だ、宵宮よみやの今晩から、華々しくやるつもりの踊り舞臺にポツリポツリと降つて來た夕立のはしりを避けてゐると、あの江戸開府けえふ以來といふ大雷鳴でせう」
「江戸開府けえふ以来の殺しは大袈裟だが——兎も角、行って見ようか」
「小父さんぢやありません。江戸開府けえふ前の名家とやらで」
「江戸開府けえふ以来の雷鳴という奴があるかえ」
「江戸開府けえふ以來の雷鳴といふ奴があるかえ」
「そいつも江戸開府けえふ以来じゃないのか」
「そいつも江戸開府けえふ以來ぢやないのか」
「成程こいつは、江戸開府けえふ以来だ」
「成程こいつは、江戸開府けえふ以來だ」