閃光せんくわう)” の例文
そしてその直後、彼はいま浴槽よくさうのなかに寝てゐるやうに、フィールドの草のうへに夕焼雲にむかつて仰向けになり、写真の閃光せんくわうを浴びてゐたのだ。……
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)
此の瞬間ふと忌はしい考へが頭の中をかけつた。そして其の考への閃光せんくわうの中に彼女の良人をつとの顔が、あの大きい鼻が、義眼のやうな眼があり/\と浮び現はれた。彼は胸苦しかつた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)