銷磨せうま)” の例文
かの荒い海の背景がこの平和の印象を少しも壞さないのは寧ろ不思議である。それといふのも畢竟ひつきやう慣れといふことが感激を銷磨せうまするからであらう。
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
宗助そうすけには宜道ぎだう意味いみがよくわからなかつた。かれこの生若なまわかあをあたまをしたばうさんのまへつて、あたかも一低能兒ていのうじであるかのごと心持こゝろもちおこした。かれ慢心まんしん京都きやうと以來いらいすで銷磨せうまつくしてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)