“鉄漿”のいろいろな読み方と例文
旧字:鐵漿
読み方割合
かね59.3%
おはぐろ33.0%
はぐろ7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黒々と鉄漿かねを染めた歯が下唇を噛んでいた。すぐ側に居流れている牟礼主水正むれもんどのしょう庵原将監いはらしょうげんのほうへ、書状は無造作に投げられていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして、突かれた紙帳は、おとなしく内側へ萎み、裾が、ワングリと開き、鉄漿おはぐろをつけた妖怪の口のような形となり、細い白い手が出た。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「お喜乃さんなら、天王寺裏のお鉄漿はぐろ長屋に住んでいる、感心な娘さんだ。何でも親父さんは、御浪人だということを聞いていました」
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)