金鈕きんボタン)” の例文
たまたまこの家の前を通りかかった、髪の毛の長い画学生は細長い絵の具箱を小脇こわきにしたまま、同じ金鈕きんボタンの制服を着たもう一人の画学生にこう言ったりした。
玄鶴山房 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「だから貴様達は馬鹿だと云ふんだ」突如落雷の如き怒罵どばの声は一隅より起れり、衆目しゆうもく驚いて之にそゝげば、いま廿歳前はたちぜんらしき金鈕きんボタンの書生、黙誦もくじゆしつゝありし洋書を握り固めて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
それは金鈕きんボタンの制服を着た二十二三の青年だった。僕は黙ってこの青年を見つめ、彼の鼻の左のわき黒子ほくろのあることを発見した。彼は帽を脱いだまま、ず怯ずこう僕に話しかけた。
歯車 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それは金鈕きんボタンの制服を着た二十二三の青年だつた。僕は黙つてこの青年を見つめ、彼の鼻の左のわき黒子ほくろのあることを発見した。彼は帽を脱いだまま、づ怯づかう僕に話しかけた。
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
少将は返事をするために、青年の胸の金鈕きんボタンへ、不審ふしんらしい眼をやった。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)