“金扇”の読み方と例文
読み方割合
きんせん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お春は静かに次のへと退ったがしばしして、秋の空を思えとや、紫紺に金糸銀糸きんしぎんしもて七そうを縫った舞衣まいぎぬを投げかけ金扇きんせんかざして現われました。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
その馬じるしたる金扇きんせんの下に、旗本たちの鉄槍陣をまんまると従え、前二段に、鉄砲隊をき、大物見を、その先に伏せさせ、さて、いつでもと落着きすました。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひどく意気な剣術のほうで、秋、銀杏の大樹の下に立って、パラパラと落ちてくる金扇きんせんの葉を、肘ひとつでことごとく横に払って、一つも身に受けないという……。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)