遣唐使けんとうし)” の例文
遣唐使けんとうしにしたがって、遠く中国に留学され、その地で真言の秘奥をきわめられると、『この三鈷さんこの落ちとどまるところが、わが宗旨をあげひろめる霊地である』
すでに遣唐使けんとうしこのかたは、東洋一環の交流もあって、いわば一帯水たいすいの、遠からぬ大陸であったものの、時運の暗合は、なにか偶然でないものを覚えしめるではないか。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、日本からも、そのむかしは遣唐使けんとうしをのせた船が、頻りに、海を往来して、知識や物産を交易し、ほとんど、ふたつの国のあいだがらは、歯と唇のような関係であったということ。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いにしえ、道真公みちざねこうが、和魂漢才わこんかんさいとなえて、時人の弊風へいふうと、遣唐使けんとうしの制をいましめたことがあるが、唐風の移入も、西欧の舶載はくさいも、春なれば春風の訪れ、秋なれば秋風の湿しめり、この国の梅や桜の色は変らぬ。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ずっと以前の遣唐使けんとうしの若いたくさんな人々も。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)