道祖神どうそじん)” の例文
思わず二人いっしょに口にだして、喜左衛門と鍛冶富、小走りに足を早めようとすると! 畑のまえの路ばたに道祖神どうそじんの石がある。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
信州では辻の道祖神どうそじんの祭をこの日行う例も多い。藁苞わらづとの馬に藁苞の餅を背負わせて、道祖神の前までいて行って置いて来る。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しいの葉にいいを盛ると言った昔の人の旅情は彼らの忘れ得ぬ歌であり、路傍に立つ古い道祖神どうそじんは子供の時分から彼らに旅人愛護の精神をささやいている。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
人によっては、道祖神どうそじんの祭りをトンド祭というとのことであるから、あるいはその時分にノハナショウブが咲くからというので、それでノハナショウブをドンドバナというのかもしれない。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
駕は、道祖神どうそじんの石の前に止っていた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こちらでは道祖神どうそじん・山の神またはほうきの神、或いは地蔵じぞう観音かんのんを誘いにくるともあって、土地ごとに少しもまっていない。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
二月八日の道祖神どうそじんの祭は、いかにも子供の祭らしいものだ。土地の人はなまって「どうろく神」と呼んでいる。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
道祖神どうそじんとか二十三夜の石塔とかの類で、これは今まで立ち止まって、どうしてこんなものがたくさん立っているのかを、考えようとした人がめったになかった。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
信州川中島かわなかじま地方で二月八日に作るチウギ餅なども、餅とはっても至って柔かなものだと見えて、この日は子どもがそれを持って行って、道祖神どうそじんの石像の顔に塗りつける。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)