途上みちすがら)” の例文
それは今から半月程前に私が何気無く旅館はたごを出てご料林の方へ行ったことがあったが其途上みちすがらのことである。
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
貫一はこの絵をる如き清穏せいおんの風景にひて、かの途上みちすがらけはしいはほさかしき流との為に幾度いくたびこん飛び肉銷にくしようして、をさむるかた無く掻乱かきみだされし胸の内は靄然あいぜんとしてとみやはらぎ、恍然こうぜんとしてすべて忘れたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)