輪索わなわ)” の例文
ある朝、冷然と、私は猫の首に輪索わなわをはめて、一本の木の枝につるした。——眼から涙を流しながら、心に痛切な悔恨を感じながら、つるした。
黒猫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
持ちあわせた氷用のたがねでその真上にもう一つ穴を掘り、小刀で近所に見あたったいちばん長い樺の木を切りたおし、また、引き輪索わなわをつくってそのはじに取付け
それはサッと彭玘の交わすところとなったが、つづいて虹のごとき紅錦こうきん輪索わなわが彼女の手を離れた。錦の蛇が彭玘の首にからむかと見えたのである。せつな、病尉遅びょううっち孫立そんりゅう
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほとんど自分が『輪索わなわにかかる』ところを救ってやったような立場にいるのにつけこんで、さらにまた生まれつき非常にすなおで内気なのにつけこんで、彼は夫婦間のきわめて普通な礼儀さえも
詳しい話は知らないが、ある時のこと、この気立てのすなおな、悪気のない内気な養女が、自分で納屋の釘に輪索わなわをかけて、首をくくろうとしたところをおろされたとかいうことだけは耳にしている。