よろ)” の例文
その巡査達はよろけて帰り乍ら、裸かになって働いて居る部落の人を呶鳴り付けたりした。そんな事が度重なると、彼等は百歳の家の存在をさへ呪はしくなった。
奥間巡査 (新字旧仮名) / 池宮城積宝(著)
人々の怖ろしく凄まじい形相が、柘榴のつぶてのやうに私達の眼前を寄切よぎつて行つた。私は、思はずよろめいて母の袂に縋つた。人々の眼は、極度に視張られて血走つてゐた。
鱗雲 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)