跼蹐きよくせき)” の例文
右、貞盛はかつて追捕を脱し、跼蹐きよくせきして、上京せる者なり。官府において、その事由を、ただせらるべきに、何ぞはからん、彼が理を得るの官符を下し賜はんとは。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くだんの貞盛は、追捕を免れて跼蹐きよくせきとして道に上れる者也、公家はすべからく捕へて其の由をたゞさるべきに、而もかへつて理を得るの官符を給はるとは、是尤も矯飾けうしよくせらるゝ也。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
吾人は我邦の公共事業の舞台に立つて役者えきしやたる者が、少しく気局を濶大くわつだいにせん事を願うて止まざるなり、之を政治家に例すれば、県治の政事海にあるものは論争常に県治の中に跼蹐きよくせき
一種の攘夷思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)