そし)” の例文
おんなが容貌をそしられるほど辛いものはないという、お石はまだ幼なかったけれど、みなしごでもありよく気のまわる性質だったから
日本婦道記:墨丸 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ちゃかした顔とそしるも有り公平の判断は上向けば愛嬌顔
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
肩背をまるくしたみすぼらしいあの躯のなかには、暴戻、奸譎とそしられることをおそれず、まったく名利を棄てて生きた大きな真実があるのだ。
晩秋 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
とにかく、これで原田さんも万全ではなくなったわけさ、なにしろ温和で謙遜けんそんで、情誼じょうぎあつくて、かつていちども人に憎まれたりそしられたりしたこともなし、そういう隙を
他人は絶えて何を侮辱する事能わず、何となれば汝は玉にして彼等は砂なれば、彼等五十万を十万倍する程つどいてそしるとも汝を亡ぼす事を得ざる故なり。(二五八九、一、三一)