貧乏籤びんぼうくじ)” の例文
客が来ても、ろくすっぽう挨拶することも知んねえけれア、近所隣の交際つきあい一つ出来やしねえんだからね。俺アとんだ貧乏籤びんぼうくじを引いちゃったのさ。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
私共に代って貧乏籤びんぼうくじをひいてくれた下曾根さんは、十七年間会堂うら自炊じすい生活せいかつをつづけました。下曾根さんは独身で、身よりも少なく、淋しい人でした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
大名連中、「日光お直し」というと天下の貧乏籤びんぼうくじ、引き当てねばよいが……と、ビクビクものであった。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
いつも進んで貧乏籤びんぼうくじを引き当てようとする人間が塾には二人いたのである。田中さんと鳴尾君である。それをいいことにして村木さんと私はいつも横著を極め込んでいた。
西隣塾記 (新字新仮名) / 小山清(著)
その呪いの的になる人は時々変りはしたけれども、どういうものかおせいは貧乏籤びんぼうくじをひいた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
だから、裕福とにらまれた諸侯か、御老中に憎まれた藩が、貧乏籤びんぼうくじを引かされるのじゃ
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「三度目に、こんな責任を背負わされるなんて、僕こそ貧乏籤びんぼうくじを引いてるんだ。」笹村は揶揄からかい半分に言い出した。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)