象徴かたど)” の例文
そして多宝塔は私たちの身体からだ象徴かたどったものです。私たちの精神肉体の一致しているこの身体は、使えばあらゆる真理、あらゆる智慧が取出せる。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
象徴かたどったものだ。緋葉もみじもなお濃い。……不思議なもののような気がする。ただの白い饅頭では断じてない。はてな。
鶴飼橋畔つるかひけうはんの夜景に低廻して、『わが詩のおごりのまのあたりに、象徴かたどり成りぬるはえのさまか』と中天の明月に浩歌かうかしたりし時、我と共に名残なくその月色を吸ひたるもこれ也。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
波頭なみがしら、雲の層、かさな蓮華れんげか、象徴かたどった台座のいわを見定めるひまもなしに、声とともに羽織の襟を払って、ずかと銅像の足の爪を、烏のくちばしのごとく上からのぞかせて、真背向まうしろに腰を掛けた。