豆菊まめぎく)” の例文
「ま! 見なんし! 見なんし! 豆菊まめぎくさん! 蝶々さん! お半さん! 殿様が御帰りでござんす! 早乙女の御前様が御帰りでありんすよ!」
水入みずいれる水ではない。五六輪の豆菊まめぎくした硝子ガラス小瓶こびんを花ながら傾けて、どっと硯の池に落した水である。さかにり減らした古梅園こばいえんをしきりに動かすと、じゃりじゃり云う。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)