設備しつら)” の例文
半分は繊細に優しく女王にょおうたちの住居すまいらしく設備しつらわれてあったのを、網代屏風あじろびょうぶというような荒々しい装飾品は皆薫の計らいで御堂の坊のほうへ運ばせてしまい
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
明王像も、女人のお出での場処にはすさまじいと云ふ者があつて、どこかへ搬んで行かれた。其よりも、郎女の為には帳台が、設備しつらはれてゐた安らかさ。夜も、今宵は暖かであつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
明王像も、女人のお出での場処には、すさまじいと言う者があって、どこかへはこんで行かれた。其よりも、郎女の為には、帳台の設備しつらわれている安らかさ。今宵は、夜も、暖かであった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
左大臣家では東の御殿をみがくようにもして設備しつらい婿君を迎えるのに遺憾なくととのえて兵部卿ひょうぶきょうの宮をお待ちしているのであったが、十六夜いざよいの月がだいぶ高くなるまでおいでにならぬため
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)