“補綴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほてい30.0%
つぎ25.0%
ほてつ25.0%
つぎはぎ10.0%
つくろ5.0%
はぎ5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
筋は無論、翁から割当てられたもので、自分たち二人はほとんどその口授のままを補綴ほていしたに過ぎなかった。劇場は後の宮戸座みやとざであった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
色の褪せた囚衣の肩に、いくつにも補綴つぎがあててあり、大きな足が尻の切れた草履からはみ出してゐる姿が、みじめな感じを更に増してゐるのであつた。
(旧字旧仮名) / 島木健作(著)
旅は読書と同じく他人の経験を聴き、出来るだけ多くの想像をもって、その空隙くうげき補綴ほてつしなければならぬ。
クランチャー君は、くつろいでいるハーリクィンのように、補綴つぎはぎだらけの掛蒲団をかぶって寐ていた
其時は男盛りの漁夫れふしと船頭親子と一緒だつた。鰹の取れる頃には、其邊は人で埋まるとか、其日は闃寂しんかんとしたもので、蝦網などが干してあつて、二三の隱居が暢氣に網を補綴つくろつて居た。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
青い綾織あやおりのズボンはいたんですり切れ、片ひざは白くなり、片膝には穴があいている。ぼろぼろな灰色の上衣には、り糸で縫われた青ラシャの補綴はぎが一方のひじの所にあたっている。