“蟇六”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきろく75.0%
がまろく25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一番目は「里見八犬伝」の蟇六ひきろく屋敷から円塚山まるづかやまで、団十郎の犬山道節、家橘の犬川荘介、八百蔵の網干左母次郎あぼしさもじろう、芝翫の浜路、松助の蟇六。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
浜路はまじの縁談を取持った軍木五倍二ぬるでごばいじだの、押かけ聟の簸上宮六ひかみきゅうろくだの、浜路の父蟇六ひきろくだの母の亀篠かめささだの、数え立てますれば『八犬伝』一部中にもどの位居るか知れませぬが
蟇六がまろく夫婦が事に小天地想あらはれたらば、作者のことばに勸懲の旨ありとて、何ぞ病とするに足らむ。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
然るに曲亭の作を見れば、例へば蟇六がまろく夫婦の性格の如き、すこぶる自然に似て活動したれども、作者叙事の間にてあきらかに勸懲の旨なりといへれば、人も亦これを沒理想と評すること能はずと。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)