螺線らせん)” の例文
彼女が一歩づつ最後の破綻はたんに近づいて行つたのか、病気が螺線らせんのやうにぎりぎりと間違なく押し進んで来たのか
智恵子抄 (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
初代広重ひろしげの名所絵にも残って居りますが、その頃の五つ目はほとんど郊外で、田圃たんぼの中に建って居る螺線らせん形のお寺は、なかなかに面白い恰好をして居ります。
その周囲にある円筒の表面の螺線らせん状の溝に沿って鋼鉄の針が動くようになっているものを造り、この針の動きにつれて振動板が動いて音を出すようにしました。
トーマス・エディソン (新字新仮名) / 石原純(著)
お祭といっているが春秋二季の大式日だいしきじつ、月々の命日は知らず、不断ふだん、この奥の院は、長々と螺線らせんをゆるく田畝でんぽの上にめぐらした、処々ところどころ萱薄かやすすき、草々の茂みに立ったしるべの石碑を
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし見方によつてははがね螺線らせんで作つたルネサンス式の図案様式の扉にも思へた。
蔦の門 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
妙なものだよ、マア聞玉え。即ちスパイラルシステムというのサ、螺線らせんサ螺線サ、天地は螺線的なのサ、古今の愚人どもがこの螺線法を知らないから困るのサ。まず手近に例を取て見せようか。
ねじくり博士 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その頃では螺線らせんのことを円背とっていましたが、その螺線らせんや十字環に関する算法さんぽうもいろいろしらべましたし、円弧の回転体の立積に関して中心周の問題というものをも取扱っています。
関孝和 (新字新仮名) / 石原純(著)
ざんぶと浪に黒く飛んで、螺線らせんを描く白い水脚みずあし、泳ぎ出したのはその洋犬かめで。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)