うね)” の例文
と、その時まで、塚の真下に、小岩を抱いて、奄々えんえんとした気息で、伏し沈んでいた典膳が、最後の生命力ちからを揮い、胸を反らせ、腰をうねらせ、のけ反った。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
両端に分銅を持っているので、堤宝山流の投げ鎖は、深紅の空でうねらず曲がらず、一文字の姿で飛んで行った。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
忽ち窓から吹き出す焔、うねって昇る黒煙り、八方へ散って乱れる火の子、阿蘭陀オランダ風の屋敷は火となった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
最後の勇を振るい起こし、刎ね返そうと宗三郎、背をうねらせたが駄目である。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そこで僕達夫妻はホテルを飛び出し自動車の客になった「大連を俯瞰しよう」というので遊覧道路をうねることにした。道々いろいろのものを見た。中央公園を見た。一名虎公園というそうだ。
赤げっと 支那あちこち (新字新仮名) / 国枝史郎(著)