“虫螻”の読み方と例文
読み方割合
むしけら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何にも無い、畳の摺剥すりむけたのがじめじめと、蒸れ湿ったそのまだらが、陰と明るみに、黄色に鼠に、雑多の虫螻むしけらいて出た形に見える。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここにおいてか階級意識の盛んな時代に、武士から虫螻むしけらの如く扱われた百姓、町人らは、それをよいことにして彼らの上に威張り散らします。
およそ屋根と壁の形さえあれば——そして住むぬしさえいなければ——巣を作って、虫螻むしけらのごとく、けだもののごとく、生きていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)