“蘭谷”の読み方と例文
読み方割合
あららぎだに100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その高い所から見渡すと、遥か蘭谷あららぎだにから神斧山の峰谷々の闇を、点々と走る松明たいまつの光りが、狐火のように見え隠れするのであった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蘭谷あららぎだにが焔となった夜、執拗しつような山荘の妖婦、投げ槍小六——それはどれ一ツとして、快い憶い出であるものはない。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おえんですよ。蘭谷あららぎだにの山荘で、初めて会った時からザッと五年越し、いまだにお前さんを想いつづけている私を忘れちゃ、幾ら何でも可哀そうじゃありませんかえ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)